IAMAS(情報科学芸術大学院大学)卒業生が運営するメールニューズ「ヌートリアまわり通信」に当学会会長の早川が寄稿した記事を、許可を得て転載しています。
「働きたいけどうまくいかない。発達障害や精神疾患の、仕事とお金について」
早川貴泰(日本生きづら学会会長/生きづらジオの左の人)
生きづらジオ 早川貴泰です。
ご無沙汰してます。
ここ数ヶ月体調悪く、ようやく寄稿できました。
編集の皆さんごめんなさい。
毎度申し上げます。
私は双極性障害二型+ADHD+ASD。メンヘラ・バツイチ・引き籠り・無職。
です。
毎日ほぼ寝たきりで頭もうまく動きません。
私は30歳からいきなりお金を稼ぐのが下手になりました。
というか、できなくなりました。
もともとお金稼ぐのはうまくなかったのですが、身体が動いた20代は多少なんとか仕事ができました。
でも、本当に30歳を境に、お金が稼げなくなりました。
病気で脳と身体が動かなくなっていったからです。
私の知人で、重めの発達障害を抱えながら、正社員として働いている人がいます。
Tさんとします。
Tさんは、今の仕事にたどり着くまでは、色々な失敗と苦労があったとのこと。
Tさんが、まだ、仕事にうまくつけず、働くための試行錯誤していた時の話。
映画が好きなTさんは、ネットで映画レビューのライターの仕事を見つけたそうです。
その仕事は、1記事10000文字程度書いて報酬なんと100円!
完全にやりがい搾取に見えますが、Tさんはそんなこと考えず、自分の好きなことで、かつ、自分の力だけで、お金が稼げるなんて素晴らしいと感動!数十記事を投稿し、約3000円を稼ぎました。
そして、自分の能力と成果に希望や自信を感じ、自力で3000円稼いだことを嬉々として両親に報告しました。
すると、Tさんのお父さんは、「そんな仕事するな!搾取されてるぞ!」と一喝!
Tさんは、その報酬の少なさや、その他自分が気が付かなかった異常さに気付き、哀しい気持ちになったとのことでした。
読者の皆さんは、この件どう感じますでしょうか?
私は、基本的には、お父さんの考えに賛成です。
しかしながら、Tさんの気持ちにも大変共感します。
やりがい搾取のような仕事が世の中に存在し、それは私もよくないと考えていますが、ここでは、そこは言及せず発達障害や精神疾患の人間の話に注目して話を進めます。
発達障害や精神疾患の人間は、とにかく、働く、お金を稼ぐ、のが難しいです。
人によるし、症状の程度によりますが、例えば私の場合は、脳の働きも鈍く、身体もうまく動きません。
Tさんも似たようなところがあったと思います。
正直、健常者と比較して、仕事のための能力がかなり低いです。
なので、どんなに小額でも自分でお金を稼げるということに、大きな希望を感じます。
むしろ、金額ではなく、「お金を稼げる」という事実に高揚してしまってるかもしれません。
つまり、自力でお金が稼げることが重要で、金額は問題ではなくなったりします。
働くのが難しいレベルの発達障害や精神疾患の人間は、自分に対する無能感、無力感、絶望感がかなり強いです。
その状況で、「働けるかもしれない」という一筋の光明は、まさに地獄に仏です。
その絶望から希望へのギャップが本当に凄まじいのです。
さらに、希望を感じたことに、強い執着心を持ち、場合によっては強いエネルギーが発生することもあります。
その結果、他のことは難しいのに、執着したことだけはそれなりのクオリティで仕上げてしまうこともあります。
結果、やりがい搾取の肥しになってしまうことがあります。
そんなわけで、Tさんが、低報酬でライティングの仕事をした気持ちに、私は共感するし、だからこそ哀しいと感じてます。
単純にお金のリテラシーだけでは解決できない何かがある気がしてます。
Tさんは現在、いまは正社員で頑張って働いておられます。
素晴らしいです。
尊敬です。
私は、相変わらずメンヘラ・バツイチ・引き籠り・無職。
です。
寝たきりの日が多いです。
寝たきりでも働く方法を模索中ですが、道のりは遠いです。
最近また復活しました。
生きづらジオをよろしくお願いします。